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B2Bサイトにおけるモバイルフレンドリー対応を検討すべき3つの理由

Webサイト経由の案件創出を期待されて、「モバイルフレンドリー対応」に投資すべきかどうかを悩まれているご担当者は少なくないのではないでしょうか。特にB2B(BtoB)の場合、ユーザーの利用シーンを想定すると、B2Cと比較して優先順位を下げているかもしれません。

弊社が今回行ったコーポレートサイトのリニューアルでは、モバイルフレンドリー対応も併せて実施しました。その経験も踏まえ、B2Bサイトのモバイルフレンドリー対応を検討すべき理由をご紹介します。

 

1.Googleがモバイルフレンドリーに対応した

image001Googleは2015年4月21日に、スマートフォンユーザーがモバイル検索の際、より見やすく、利便性が向上するよう、アルゴリズムアップデートを実施しました。以後、Googleによってモバイルフレンドリーと認められたサイトには、モバイル版の検索結果に「スマホ対応」とラベルがつくようになりました。

その条件は、「Flashなどを利用していない」、「ズームなしでも判読可能な文字サイズ」、「コンテンツのサイズが(モバイル端末の)画面サイズを超えない」、「リンクがタップしやすい」などです。

これまでサイト構築の際、「スマホで見たら少し利用しづらいけれど仕方ない」と妥協しがちでしたが、今後は、スマホ利用者から見た検索順位が上がりづらくなるというリスクが生じています。

 

2.B2Bでもスマホ利用顧客の増加が予想される

Googleの情報によれば、アメリカではスマホ所持者の94%がローカル情報をスマホで検索しているそうです。

私自身、日本ではまだそこまでモバイル検索は普及していないと思っていましたが、総務省のデータでは、平成25年(2013年)末の時点で、スマートフォン保持者の割合は62.6%(前年比13.1ポイント増)で、普及は急速に進んでいるようです。

この結果を見ると、モバイル検索の増加を想定せざるを得ません。

とはいえ、B2BサイトはB2C向けサイトと比べても、サイトの利用目的や利用者を考えると「モバイルフレンドリー」の必要性を感じないかもしれません。しかし、Webサイトを案件創出ツールとして活用しているB2B企業は、モバイル閲覧の可能性を想定しておくべきです。

日本ブランド戦略研究所が行った調査「BtoBサイト 2014 総合ランキング」で上位だった企業のうち、キーエンス、オムロン(電子部品情報サイト)、キヤノン(オフィス機器)は、検索結果上に「スマホ対応」と表示されていたため、すでにモバイルフレンドリー対応がなされているようです。

特にメールマーケティングを主導しているB2B企業の場合には注意が必要です。

というのも、Gmailなどでメルマガを受け取り、スマホで閲覧するという顧客も少なくないと考えられるからです。メール本文からWeb誘導する場合、誘導先がモバイルに対応していないと、精読率に悪影響を及ぼすことも考えられます。

各社のマーケティング施策に応じてWebサイトの要件を整理し、今一度、ユーザー視点の動線を考えることが重要かと思います。

 

3.ユーザーにとってのフレンドリーを考えることが重要

~レスポンシブ ウェブデザインは必須?~

モバイルフレンドリー対応といえば、「レスポンシブ ウェブデザイン」を現行サイトに施すことになり、手間やコストがかかるというイメージを持っている方も少なくないかもしれません。

しかし、理解しておくべきことは、Googleが求める「モバイルフレンドリー対応」に「レスポンシブ ウェブデザイン」は必須でないことです。技術的なことではなく、むしろ大事なのは「ユーザーにとってのフレンドリーな体験とは?」を考えることにあると思います。

レスポンシブ ウェブデザインとは、Webサイトの横幅サイズをデバイスのブラウザの横幅ごとにレイアウトが調整される手法のことです。よく、PCでサイトを閲覧するとき、ブラウザのサイズを変更すると自動的にメニューが縮小されたり、サイドメニューが消えたりすることがありますが、それがレスポンシブ ウェブデザインが施されたサイトです。

もちろん、ユーザーにとってはレスポンシブ ウェブデザインはより見やすいかもしれませんが、先述した通り、Googleはそれを指定しているわけではありません。何より大事なのは、ユーザーがスマホなどのモバイル端末でアクセスした際に、求める情報にスムーズに素早く辿りつけるか、問い合わせがしやすいかなどを考えることではないでしょうか。

ですから、まずは応急策として、インデックスページやメルマガからの誘導先などの重要ページのフォントサイズを大きくしたり、タップしやすいリンクを用意したりするだけでもいいと思います。それなら、十分に意味のある投資となるでしょう。

 

弊社でも、先のサイトリニューアルに当たり、モバイルフレンドリー対応を実施しました。下記の「Webサイトのデバイス別セッション比率推移」のデータからも分かる通り、モバイルで閲覧していただいている割合が決して少なくないことや年々増加傾向にあることから、ユーザーの期待に応える意味でユーザビリティを改善するに至りました。

セッション比率推移

現時点ではまだモバイル未対応による影響はそれほどないかもしれませんが、今後スマホ利用率が増えることはあっても減ることはないといえます。ビジネス利用の頻度も高まっている傾向があることは各所で見かけますので、対応しない選択肢はないでしょう。

弊社の場合は特にマーケティングを支援する企業であり、クライアントを指導・育成する立場にあるため、新たな課題には率先して取り組んで参りたいと考えています。

B2B企業におけるモバイルフレンドリー対応は、何よりも優先される取り組みではありませんが、今回のモバイルフレンドリーアップデートは大きな転機といえます。各社のターゲットにおけるニーズやモバイル利用の状況に応じて、順次対応を検討していくべきと考えます。

この記事を書いた人

堀首 裕芳
堀首 裕芳代表取締役/CRMシニアコンサルタント
FA機器を製造・販売する株式会社キーエンスにて、営業の面白さや難しさ、奥深さを知る。
その後、複数のベンダーでSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係強化)領域のコンサルティングや営業管理職を務め、2011年にB2Bマーケティング株式会社を設立。
BtoB企業の顧客獲得や売上アップに貢献すべく、日々奔走中。

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