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コロナ禍を受け、訪問営業よりリモート営業が好ましい?! デジタルマーケティングを推進する際のコンテンツ開発の考え方と進め方

2020年以降、 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くのBtoB企業における営業スタイルは一変し、従来からの訪問営業に代わってオンライン会議等でのリモート営業が浸透しつつあります。

業種や業態によって変化への捉え方は異なると思いますが、現状のリモート営業を「生産性が高まった」とポジティブに捉えている営業担当者は少なくないようです。また、営業を受ける顧客側の意識も大きく変化しているようで、事実「リモート営業の方が好ましい」と考える人が多くなった、という調査結果もありました。

HubSpot Japan社が発表した『日本の営業に関する意識・実態調査2021』によると、2019年12月時点(コロナ禍前)の調査では、買い手が「訪問営業よりリモート営業が好ましい」と回答したのは 21.0%だったのに対して、1年後の2020年12月時点では 38.5%に増え、「リモート営業より訪問営業が好ましい」と考える 35.0%を上回る実情が明らかとなってます。

>>リモート営業が訪問型営業を逆転 買い手が考える「好ましい営業スタイル」―HubSpot Japan調査 
(参照元:ITmediaマーケティング)

現時点(2021年9月)でのワクチンの接種率を考慮しても、感染者数の推移を見る限り、年内に「コロナ禍前の日常に戻る」可能性は決して高いとは言えない状況です。こうした背景もあるのか、経営計画に「デジタルマーケティングの推進」を掲げているBtoB企業をよく見受けます。

 

デジタルマーケティングが重視されてきた背景

一般的に「デジタルマーケティング」とは、Webサイトやメール、FacebookなどのSNSやアプリといった、あらゆるデジタルテクノロジーを活用したマーケティング活動を指します。近しいワードとしては「Webマーケティング」がありますが、文字通りWebを基点としたマーケティング活動であり、デジタルマーケティングはWebマーケティングを包含した上位概念と捉えても問題ないでしょう。

それでは、コロナ禍以前からデジタルマーケティングが重視されてきた背景は何でしょうか?
2018年の調査となりますが、ITコミュニケーションズ社が公開している『BtoB商材の購買プロセスに関する実態調査レポート2018』に依りますと、BtoB商材購入の意思決定に関わった人が検討段階で収集した主な情報源として、「各種Webメディア」が 49.0%、次いで「提供企業のWebサイト」が 35.3%と上位を占めており、「営業担当者」の 17.3%や「セミナー」の 12.4%と比べると、圧倒的にWebによる情報収集が浸透しつつあると言えます。
また、コロナ禍を受けて、このようなデジタルシフトの傾向がさらに強まっています。

図1.BtoB商材の検討段階で収集した主な情報源は?(n=445)
【引用元】『BtoB商材の購買プロセスに関する実態調査レポート2018』株式会社ITコミュニケーションズ
https://www.it-comm.co.jp/media/201901171500.html 

 

デジタルマーケティングの推進にはコンテンツが必須

「デジタルマーケティングの推進」には、ターゲットへのメッセージ、すなわちコンテンツが欠かせません。
こういう例えだと語弊があるかもしれませんが、せっかく高価な釣り道具を持っていても狙った魚に適する餌が無いと釣れないように、立派なITツール(MAなど)を導入していてもターゲットが求めるコンテンツが無ければ目的を達成することはできないものです。しかしながら、多くのBtoB企業において、「コンテンツが足りない。リソースもノウハウもなくて作れない。」といった壁に突き当たっている実態を垣間見ることも。

特にBtoBにおいては、立場の異なる複数の関与者が必要なプロセス・期間を通して、合理的な判断のもとで購買の意思決定を下します。従いまして、商材の訴求ポイントを踏まえた上で、ターゲットの属性や想定課題を軸に、お客様の検討段階に合わせたコンテンツ開発を計画的に進めることが重要です。
そのためにも、まずは購買検討を時系列で考えた場合のターゲットの特徴を理解して、ターゲットの態度変容を促すための情報ニーズを整理することから着手すべきだと考えています。

例えば、このコロナ禍で一気に普及が進んだ「Web会議ツール」を提供するBtoB事業を例に挙げて、情報ニーズの整理とコンテンツ開発の考え方・進め方を簡潔に説明したいと思います。

まず、「Web会議ツール」の一般的な用途としては、

・遠隔地にいる人との会議や面談に用いられる。
・コロナ禍で直接会えないお客様との商談に用いられる。
・複数名を集めたWebセミナー(ウェビナー)に用いられる。
・顧客に対する遠隔サポートに用いられる。

などが挙げられますが、その結果として以下のような成果が期待できます。

・業務の生産性が高まる。
・顧客満足度が高まる。
・交通費などの移動コストを削減できる。

それぞれのニーズ・用途においては、総務担当や営業担当、あるいはサポート担当など、様々な役割や立場にあるターゲットを想定して、購買プロセスを意識した情報ニーズの整理とコンテンツ開発が求められます。
ざっくりと、以下のようなイメージです。
ターゲットの情報ニーズを整理することで、潜在客・見込客が求めるコンテンツの企画が容易となり、ターゲットに対して購買プロセスを進めてもらうためのアイデアも見えてくるものです。

 

コンテンツの企画・計画化に役立つ『コンテンツ・マップ』とは

では、具体的に前述した情報ニーズを整理・マップ化して、コンテンツ開発計画に落とし込んでいく方法の一つを紹介したいと思います。
下図のように、弊社では横軸を顧客側の「検討段階」とし、縦軸を「課題/訴求軸」として分類・整理していく方法を独自のフレームワークとして利用しています。ちなみに、このシートはターゲット(ペルソナ)ごとに用意されるものだと考えてください。ちなみに、弊社ではこれを『コンテンツ・マップ』と呼び、コンテンツ・マーケティングを推進する際の上流工程で、ワークショップを通して作成することが増えています。

ここでは、縦軸の「課題/訴求軸」をどう設定するかがポイントの一つとなりますが、字面の通り、顧客側の課題を起点に自社製品/サービスによる付加価値・期待成果を訴求ポイントとして明示します。
作業の進め方としては、縦横の項目に該当する情報ニーズ(実際に受けた顧客の声も含め)をポストイットに書き出し、それをペタペタとホワイトボードに貼りながら参加者との意見交換を行い、それぞれの理解を深めていきます。また、必ずしも全てが的確なものとは限りませんので、意見を交わしながらポイントを精査しておくと、後日行う整理(正規化)の精度が高まり、より”使える”コンテンツ・マップになろうかと思います。

ちなみに、弊社の場合はマーケティング部門の担当者のみならず、営業部門の担当者数人にもワークショップに加わって頂けるよう働きかけ、プロジェクトを進めることが少なくないです。(部門連係を促すきっかけにも)

【参考】弊社のクエスト様に対するご支援事例

こういった取り組みは、まだまだ浸透していないのが実情ですが、実際に取り組んだクライアントの反応や評価も様々で、例えば、

・最初は半信半疑だったが、やってみるとコンテンツ企画のヒントになり得るものとなった
・顧客に近い営業担当者からの情報も共有でき、どんな情報が求められているかを理解できた
・普段の営業活動では、顧客志向と言いながらも、まだまだ顧客起点で考え抜かれていないと感じた

といった声が聞かれました。

このような『コンテンツ・マップ』を作成することで、これまでは顧客接点を担う営業担当者、あるいは社歴の長い社員の暗黙知であった情報が明文化・可視化され、誰(ターゲット)に対して、いつ(タイミング・顧客の状態)、どのような情報によって態度変容を促していくのかの指針となり得ます。

 

コンテンツの貢献度や成果をどう評価するのか?

前述の通り、しかるべきプロセスで狙いを持って制作したコンテンツが成果につながっているのか、貢献しているのかを評価し、今後のアクションに活かしていく姿勢・取り組みは重要です。具体的には、公開した資料の申込みや問い合わせに至った見込客が、どのコラムや導入事例などのコンテンツを経由(閲覧)してコンバージョンに至ったのかを把握しておくことで、コンテンツの企画・計画に活かすことができます。

そういった貢献度や可視化を図る上で役に立つツールとして、MA(マーケティング・オートメーション)やWebトラッキングツールがありますが、一般的にMAの導入・運用費用は高額になりがちですので、目的を絞ればトラッキングツールの活用も有効です。例えば、ITコミュニケーションズ社が提供している『シナプス』では、企業・個人単位での閲覧履歴の確認や、訪問回数や閲覧ページなどの条件設定で通知メールを自動で配信することもできるなど、活用幅の広いツールと言えます。

【参考】Webトラッキングツール『シナプス』

例えば、弊社が『シナプス』の活用を支援したある案件では、販促対象のサービスに関連のある事例コンテンツを閲覧して、かつ料金表を確認している見込客が発生した際に、営業部門のメーリングリストにフォロー対象(個人が特定している場合)として通知されるような運用など、実用面でも活用の余地があるものです。

また、個人が特定されていないアクセスに対しても、アクセス元のIPアドレスから企業情報を割り出す機能もあり、公開したコンテンツに対して、どういった企業が反応しているのかを把握できることも、コンテンツ開発の是非を検討する上で必ず役に立つでしょう。

 

 さいごに

コロナ禍を受けて、多くのBtoB企業では営業の在り方・やり方を見直す動きが活発になっています。
もちろん、新型コロナウイルス感染による被害拡大は望ましいことではありませんが、従来型の非生産的な営業活動を容認しているがゆえに、国内外における競争力を失っていた側面があったのであれば、これを機に生産性の高い独自のマーケティング・営業活動を模索・実現していくべきではないでしょうか。

この記事を書いた人

堀首 裕芳
堀首 裕芳代表取締役/CRMシニアコンサルタント
FA機器を製造・販売する株式会社キーエンスにて、営業の面白さや難しさ、奥深さを知る。
その後、複数のベンダーでSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係強化)領域のコンサルティングや営業管理職を務め、2011年にB2Bマーケティング株式会社を設立。
BtoB企業の顧客獲得や売上アップに貢献すべく、日々奔走中。

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