- Home
- コンテンツ・マーケティング, リード・ナーチャリング, 事例制作
- キラーコンテンツとなる事例紹介記事制作の進め方と執筆のポイントとは
BLOG
2.92023
キラーコンテンツとなる事例紹介記事制作の進め方と執筆のポイントとは
マーケティング・セールスにおいて、キラーコンテンツとなる「事例紹介」
自社の商品・サービスの特長や価値を、よりお客様(見込客)に知って頂くために、事例紹介に関するコンテンツは非常に重要な役割を果たします。特にBtoB企業においては、立場の異なる複数の関与者が合理的な判断のもとで意思決定を下すことが多く、会社の予算を投じる責任も伴うため、「他社の実績を参考にして、出来る限り(発注する)リスクを排除したい」という心理が強く働きます。
事実、業務システム販売を主事業にしている企業に協力頂き、資料請求や問い合わせなどのコンバージョンに至ったセッション内で閲覧されたページを集計・分析したところ、興味深い結果が得られています。
こちらの円グラフでは、比較しやすいよう「料金表」と「事例紹介」のページ以外は全て「その他(製品情報など)」でまとめて表示していますが、事例に関するコンテンツがアクションの動機付けに大きく貢献していることが理解できると思います。もちろん、商材の特性やWebサイトの構成等により、これらの結果・傾向は変化しますので、あくまで一例として捉えてください。
また、事例紹介コンテンツは実際に導入したお客様に語って頂くため、情報の信頼性が高く、商品やサービスの付加価値を顧客視点で伝えられるというメリットもあります。
そこで本コラムでは、事例紹介コンテンツ制作の進め方と、執筆のポイントを紹介します。
なお、事例紹介コンテンツの必要性や取材先の選定については、こちらのコラムで解説しています。
【参考コラム】SEO対策やCVアップに大きく貢献する事例紹介コンテンツの活用
ユーザー企業への取材(インタビュー)依頼
事例紹介へのご協力について事前に打診しておいたユーザー企業に対し、依頼内容の主旨や取材の概要など、あらためて書面で案内しておくのが望ましいでしょう。
依頼文の構成例として、以下を参考にして頂ければと思います。
<事例取材に関する依頼文の構成例>
当社サービスのご導入・活用に関する取材のご依頼 ※※※冒頭のあいさつ・ご協力のお願い※※※ 1.ご依頼の主旨 2. インタビューの方法、概要 インタビュー概要: 3.ご参加頂きたい方 4.事例紹介記事の使用例 |
社内の担当者・関係者への事前ヒアリング
取材するインタビュアーは、製品・サービス提供に関わった営業担当者や導入支援者などの関係者に対し、事前にヒアリングをしておくことが重要です。先述の「インタビュー概要」に記載した、検討の背景や選定の決め手をはじめ、どのような活用をして成果を上げているのか、現時点で把握できている限りの情報を共有頂き、インタビュー時にどういった話題やエピソードを掘り下げる必要があるか、お客様に語って頂くための質問などをイメージしておくことをオススメします。
特に、こうした取材をベースとした事例コンテンツでは、お客様が語っていない話題やエピソードを勝手に付け加えたり、過度に脚色したりすることは出来ないため、お客様に漏れなく語って頂くための事前準備がインタビュアーに求められることであり、腕の見せ所だと考えてます。得られた情報をもとに制作した事例紹介コンテンツにより、自社商材の強みや訴求ポイントを十分に伝えることができるよう、アウトプットを意識した事前準備を行っておきましょう。
当日のインタビュー
事前に用意しておいた内容に沿って進められるよう進行しますが、大前提として、予め設定(了承を得た)した時間内に取材を終えられるよう、時間配分を考慮しながら進行する必要があります。取材相手がケツカッチンではないかは、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、取材を進めていくと、それぞれのご担当者が積極的に関連する話題を話してくれるタイプの方か、必要な情報のみを簡潔に話してくれるタイプの方かなどの特性も垣間見えるものですので、話題の振り方や話の切り上げ方にも配慮しながらその場をコントロールしましょう。冒頭の話題で盛り上がり過ぎて、一番肝心な「導入効果」に関する情報が乏しくなってしまっては本末転倒なのですから。
他には、以下の点も考慮しておきましょう。
- 取材相手を撮影する場合は、背景なども考慮したポジションに座って頂く
- インタビュー内容の録音は、最初に許可をとり、その取り扱いにも触れておく
- 当然ながら、執筆した原稿は公開前に確認・修正指示できることを伝えておく
- 撮影する際に、会社の名札や公開できない資料などが写り込まないか確認する
事例紹介の原稿執筆
ここではインタビューで伺えた情報をもとに、価値ある事例紹介コンテンツに仕上げるための執筆のポイントを紹介します。
1)ターゲット(想定読者)の設定
当然のことながら、この事例紹介コンテンツを制作するには目的があるはずです。その目的を達成するためには、こうしたコンテンツをどのような読者に見てもらいたいのか、そして結果としてどのようなアクションにつなげたいのかを予め設定しておくことが重要です。
例えば、経営者なのか、現場の従業員なのか、営業部門の担当者なのか、情報システム部門の担当者なのかなど、できる限り多くの人に見てもらいたいとは言え、読者の理解・共感を得ようとすれば、視点を合わせておく試みは軽視できないポイントです。
2)タイトルはコンテンツの顔、具体的な課題や成果を明示
注目率・精読率の高いコンテンツは、やはり、タイトルが適切なものであり、読者を意識できている場合が多いものです。例えば、タイトルの中にユーザー企業の課題や取り組み、導入・活用による成果が具体的に示されていると、ターゲットの興味を引くことができます。特に、その成果などについては、具体的な数字で示すと読者の反応が良いとされています。実際には、リアルな数値を公開できないケースが少なくありませんが、「〇倍に向上」や「△%削減」といった表現に置き換えて紹介することも可能です。
また一般的には、SEOに効果的なタイトルの文字数として、32文字以内、あるいは30文字前後が最適と言われているため、上記を踏まえたタイトルの設定を工夫したいものです。
3)記事の概要が伝わりやすい見出しを設定
今や情報過多とも言われる時代です。ある程度の文章量を超えると、ざっと流し読みして探している情報か、自身にとって価値のある情報かを短時間に見極めようとするものです。つまり、その短時間で概要を把握しにくい記事は読まれない可能性が高まるということです。そこで、目に入りやすい見出しの中に、ある程度のストーリー展開や主要なキーワードを盛り込むことで、読者の興味を喚起することが重要です。
4)導入による成果は、定量・定性の両面から明示
先述のタイトル設定でも触れたように、導入による成果を数値で示すことで読者の興味・関心を高めることが可能です。しかし、こうした特定企業の事例紹介においては、具体的な成果を定量的に明示・公開できない場合もあり、また、必ずしも効果が定量的に算出されているわけではありませんので、導入による定性的な効果もできる限り具体的に明示することが重要となります。
例えば、「経営者・事業責任者における意思決定のスピードが格段に早まった」、あるいは「部門間の情報交換が促され、製品改善のアイデアが多く提案されるようになった」など、数字に表れにくい効果も盛り込んでおきたいところです。
5)苦労話や未解決事項などの情報にも積極的に触れる
読者にとって、実際の導入検討に役立つ情報、あるいは信憑性のある情報は魅力的です。そこで、製品・サービスの導入・活用において、どのような障害や苦労があったのか、そしてそれをどう克服・乗り越えていったのかなどは、事例コンテンツに積極的に盛り込みたい話題です。また、対象の製品やサービスを導入したことで、全ての問題・課題が同じタイミングで解決されたわけではないでしょうから、現状で未解決の問題とそれらに対する取り組み方針、今後の期待や展望などにも触れることで、すでに導入しているユーザー企業にも参考にされるコンテンツを目指しましょう。
さいごに
事例紹介コンテンツは、「顧客の声」をコンテンツ化(文字や画像、映像などに変換)することで、お客様(見込客)の経営判断・課題解決に役立てて頂くものです。製品の仕様や機能、あるいはサービスの特長など、そうした基本情報の公開・発信はもちろん大事ですが、導入によるベネフィットが適切に伝わらないと、お客様(見込客)の意思決定に役立たず、機会損失にもつながりかねない、といった高い意識を持ってコンテンツ開発に臨みたいものです。