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B2Bのホワイトペーパー・マーケティング、その成功の秘訣とは?

ホワイトペーパーやeBookなど、いわゆる商品カタログとは意図が異なるお役立ち資料を活用したマーケティング手法を行うB2B(BtoB)企業が増えています。いわゆる「ホワイトペーパー・マーケティング」。そんな「営業ツール」としてのホワイトペーパーの利用方法や成果を上げるポイントをお伝えします。

 

mark_title2 ホワイトペーパーは「営業ツール」。その2つの活用法とは?

ホワイトペーパー(eBook)は、単なる説明資料ではなく、リード(見込客)のジェネレーション、あるいはナーチャリングに利用できる営業ツールであり、主に次の2つの活用方法があると考えます。

 

1)見込客の課題解決に役立つ内容で興味喚起する

B2B(BtoB)企業の購買プロセスのうち、初期の「情報収集段階」にある見込客に対して、課題解決のための有益な情報を提供することで、より自社への興味喚起や関心を高めます。

2)ダウンロード時に個人情報を取得し、それらリードとの関係強化を図る

ホワイトペーパーを無料でダウンロードしてもらう際、Webフォームから会社名や氏名、メールアドレスなどの個人情報を入力してもらうことで、その後リード(見込客)に対する情報提供やフォローを行い、関係強化を図ります。

 

mark_title2 BtoB企業がホワイトペーパー・マーケティングで成功する秘訣

ホワイトペーパー・マーケティングを実施するに当たっては、次の2点を重視することで、より成功に近づけます。

  1. 内容はターゲットの興味関心のあるもの、もしくは課題解決に役立つ情報にする
  2. ダウンロード時に取得したリードを活用して営業部門にトスアップする

 

それぞれの内容を解説していきます。

1. 内容はターゲットの興味関心のあるもの、もしくは課題解決に役立つ情報にする

ホワイトペーパーの制作で気をつけたいことは、自社の商品やサービスの内容を押し付けるようなものではなく、あくまでも情報収集段階にあるターゲットが興味のある内容や、課題解決に役立つ情報である必要があります。

ホワイトペーパーを大きく分類すると、次の4種類が代表的なものだといえます。ターゲットの検討段階やニーズによって、どのアプローチが適切かを検討することができます。
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事例やノウハウの場合、自社商品/サービスの認知度や信頼性の向上につなげやすいため、ホワイトペーパー閲覧後の問い合わせ率向上にもつながります。

アプローチ方法が決まったら、それをコンテンツとして読みやすいものに落とし込んでいきます。ページ数は目的や形式に依りますが、一般的には10~20ページ程度で読みやすい分量が望ましいと考えてます。

また、見込客がホワイトペーパーをダウンロードした時点で抱える課題を想定しておき、事後のアクションまでをも具体的に落とし込んでおくことも重要な要素です。

 

2. ダウンロード時に取得したリードを活用して営業部門にトスアップする

B2B(BtoB)企業におけるマーケティング目的を考えると、獲得したリード情報をいかに活用していけるかが重要です。つまり、ホワイトペーパー・マーケティングを実行する際には、ダウンロード後のフォローシナリオ設計や評価指標を必ず押さえておくことです。

注意すべきは、獲得したリードの多くが“いますぐ客”ではないことをよく認識しておくことです。中長期的なスパンで、メールや電話などの手段を有機的に組み合わせた継続的なフォロー活動が肝要です。

ダウンロード後の見込客のアクションを、メール内のURLクリックカウントやWebページのトラッキング(追跡)によって興味の対象や検討度合いを理解・把握することで、より望ましいコミュニケーションに昇華させられます。中でも手ごたえのあるHOTな見込客については、ベストタイミングで営業部門に引き渡すことによって、より直接的な成果を狙います。

 

mark_title2 関連事例の紹介

最後に弊社が支援したホワイトペーパー・マーケティングの事例を一つ紹介しておきます。

クライアントは大手通信会社で、主にキャンペーンで獲得したリードに対するテレセールスによって新規開拓を行っていました。しかし、リストの見込度が総じて高くないことやニーズを把握しにくいという課題があり、「ターゲットにとって有益なコンテンツ開発と継続的な関係強化」が私たちのミッションとなりました。そこで、ハウスリストに対するニーズ喚起とコミュニケーション手段として、ホワイトペーパー(eBook)の利活用を選びました。

ホワイトペーパーには、キャンペーンで実施したアンケートの調査レポート結果を落とし込み、事例紹介と共に見込客の興味関心を喚起することにしました。このアンケート調査結果は情報資産として活用できていなかったこともあり、あえて使用したという経緯もあります。

ホワイトペーパーの配布と共に獲得したリードへのフォロー施策として、営業部門内のコールチームに、事前に用意しておいたコールスクリプトをもとにテレセールスを実施いただきました。うち、HOTなリードについては営業チームに引き継ぐ形にしました。

結果、コール数に対してのアポイント率は通常時の約2倍に。さらにコール中に引き出すことのできたターゲットの問題意識や課題を、営業担当者へ引き継ぐことで、提案活動に活かすこともできました。(案件化率にも貢献)

この取り組みの全体イメージは、下記の通り。

WPマーケティング事例

 

ホワイトペーパーは、あくまでもお客様視点で企画・活用すべきと考えています。

また、ホワイトペーパー・マーケティングには、以降の営業プロセス設計も重要になると考えています。なぜなら、ホワイトペーパーは中身がどれだけ整理され綺麗に作られていたとしても、それが必ず期待する成果に直結するとはいえないからです。

アクション後のフォロー施策を効果的に実施し、いかに営業部門へ“トスアップ”できるかがポイントになります。つまり、「ホワイトペーパーを制作すること」のみならず、企画の段階からユーザーアクション後のフォロー施策まで、一連のプロセス設計を行うことが肝要です。

弊社では、この一連のプロセス設計を重視しつつホワイトペーパー・マーケティングを支援しています。自社の優れた営業ツールとしてホワイトペーパーを活用し、ぜひ有意義なマーケティング活動を推進されることを願ってます。

この記事を書いた人

堀首 裕芳
堀首 裕芳代表取締役/CRMシニアコンサルタント
FA機器を製造・販売する株式会社キーエンスにて、営業の面白さや難しさ、奥深さを知る。
その後、複数のベンダーでSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係強化)領域のコンサルティングや営業管理職を務め、2011年にB2Bマーケティング株式会社を設立。
BtoB企業の顧客獲得や売上アップに貢献すべく、日々奔走中。

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