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1.222026
ゼロクリック検索によるオウンドメディアへの流入減を打開する「調査リリース」戦略


生成AIの普及により、ユーザーは検索結果ページやAIアシスタント上で素早く答えに辿り着くようになりました。結果として「ゼロクリック検索(検索結果からサイトに遷移せず情報収集が完結する現象)」が拡大し、オウンドメディアの自然流入は減少傾向にあります。つまり、検索結果に上位表示してもクリックが伸びない、自社サイトへの流入につながりにくい状況ということです。多くのマーケティング担当者がこうした現実に直面し、従来のSEO中心のコンテンツ量産では限界を感じ始めています。
では、こうした状況をどう突破していくのか?本記事では、その打開策の一つとして、自社で一次情報(調査や実験などによって直接取得した情報)を生み出し、調査リリースとして発信する手法について、出来るだけわかりやすく整理してお伝えします。
従来型コンテンツがターゲットに届きにくくなっている理由
先述しましたように、業務上でわからないことや知りたいことは、生成AIに尋ねれば必要な情報を得られやすくなったため、内容によっては検索結果からわざわざリンク先に遷移してまで情報収集に手間をかける必要性がなくなってきています。特に「●●●とは?」といった基礎的な解説記事やまとめ記事は、生成AIやAI概要(AI Overview)が得意とする領域ですので、ユーザーのクリック動機を奪いがちです。
実際、企業や調査機関が調査・分析した「ゼロクリック検索」に関するレポートが幾つか公開されていますが、「Google users are less likely to click on links when an AI summary appears in the results(Pew Research Center調べ、2025年7月公開)」によりますと、以下のような結果が示されています。
AI概要が表示されなかった通常の検索でクリックしなかった人の割合:約60%
AI概要が表示された検索でクリックしなかった人の割合:約75%
AI概要(検索結果の一番上に出る生成要約)が表示されたことで、検索意図を満たすなど、ゼロクリック率(検索結果のリンクをクリックせずに検索を終える割合)が約15ポイント増加しています。
「15%の増加?意外と少ない。もっと差があるかと・・」と思うかもしれませんが、こうした数字は適切に読み解く必要があります。
出典元に示されているように、そもそもAI概要なし検索のゼロクリック率は約60%と高い水準にありますが、AI概要の表示によってリンクをクリックする人の割合が40%から25%に減少しています。つまり、クリック率が約4割減少している計算です。これは間違いなく無視できない数値です。
しかも現時点では、AI概要が表示されるのは全検索の一部に過ぎません。今後、この形式が広く普及すれば、ゼロクリック化の流れはさらに強まり、「検索=外部サイトにアクセスする」という従来の常識そのものが崩れていくかもしれません。
そして、似たテーマ・表現・引用元に依存した記事が増え、差別化が難しくなっています。AIもメディアも「その情報でなければならない理由」を求めるため、再編集中心のコンテンツは選ばれにくくなっています。要するに、問題は検索順位ではなく、発信する情報の「独自性と信頼性の証明」こそが課題に。AIや記者が根拠として参照できる一次情報を持つか否かが新しい競争軸になっています。
打開策となり得る「調査リリース」

生成AIは独自性の高い情報を優先する傾向が強く、近似重複コンテンツより新規性・信頼性の高い一次情報を好みます。AIは出典の差別化要因として一次情報を評価しやすく、回答に組み込みやすいからです。実際、AI検索(Bing、Perplexityなど)は回答内に引用リンクを表示する形式が一般化していますが、一次情報は「元データ」として引用候補に挙がりやすく、流入の代替として機能します。
LLMO(Large Language Model Optimization:生成AIに好まれる構造を意識した情報最適化)の観点でも、明確かつ独自性のある一次情報は“引用されるための資産”と言えるため、調査リリースによる情報発信は、AIにも人にも伝わる最短ルートの一つです。
【参考】調査PR/調査リリースとは?BtoB企業が実施する際の基本と実践方法を徹底解説
一次情報が引用されやすくなる条件とは

せっかく調査リリースを行っても、AIやメディアから引用されなければ非常にもったいないことです。
では、どのような情報が「引用されやすい一次情報」として認識されるのでしょうか。ここでは4つのポイントを整理して紹介したいと思います。
① 独自性を示す
最も重要なのは、他では手に入らない“自社ならでは”のデータを持つことです。仮に、すでに公開されている同じようなテーマであっても、特定の業界や職種など回答者を絞った調査であれば、独自性を持たせることも可能です。
他にも、自社の顧客を対象にしたアンケート調査や、自社プロダクトを利用して得られる利用データの分析結果などは、第三者には再現できない独自性を有します。こうした情報は、AIにとってもメディアにとっても“新しい知見”とみなされやすく、回答や記事の根拠として引用される可能性が高まります。
② 構造化されていること
情報が整理されていることも重要な要素です。
例えば、見出し・箇条書き・図表などで結果を明示したり、「調査概要→調査結果のハイライト→設問ごとに調査結果と考察→まとめ(結論)」といった構成にすることで、AIが内容を識別・抽出しやすくなります。中でも「結論」が明確に示されている内容は、他のコンテンツから参照されやすい傾向があります。
③ E-E-A-Tを担保
GoogleがWebページの品質を評価する際に重視する4つの基準(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)の中でも、信頼性を示す要素が欠かせません。調査の実施主体・対象・期間・サンプル数(回答者数)などを明記することで、データの信憑性が高まり、AI側が「根拠として使える情報」と判断しやすくなります。また、第三者との共同調査や監修を行うと権威性が増し、引用される可能性がさらに高まると考えられています。
④ AIが読み取りやすい形式
最後に、データを“読まれやすい形”で公開することも重要です。Webページ(HTML)での掲載、図表画像への代替テキスト設定、更新履歴の明示など、AIのクロール・解析を妨げない設計が必要です。よく見かける「PDFのみの公開」はAIに認識されにくいため、Web上で構造化された形でも公開するようにしましょう。
これらの条件を整えることで、AIがあなたのコンテンツを“発見しやすく”“引用しやすく”なります。
調査リリースは発信するだけでなく、「拾われやすい形に整える」ことが成功のカギです。
「調査リリース」の成果を最大化する4つのポイント

調査PR/調査リリースに取り組めば、ブランドの信頼性を高めながら、継続的な話題提供やAI面を含めたタッチポイントの拡大を実現できます。ここでは、その成果を最大化する4つのポイントを紹介します。
① 受け皿(動機づけ・導線設計)を最適化する
ニュースリリースページには必要十分な情報を掲載しておきましょう。読者に関心を持ってもらえるよう調査の背景・目的をはじめ、調査方法やサンプル数などを含めた調査概要、ハイライトの掲載に加えて、抜粋した調査結果や考察なども動機づけに寄与します。そして、ダウンロードフォームや問い合わせフォームなどのCTAはもちろん、関連する資料や導入事例などへの導線にも配慮しておくことで、関心の高いユーザーを次のアクションに誘導できる可能性が高まります。
また、CVRアップを目的とした『プレビュー動画』の活用も検討の余地があります。このプレビュー動画は、対象のコンテンツがユーザー自身の求める情報かを確認するのに必要以上の時間をかけない傾向に応じて、コンテンツの概要を”30~40秒“程度で構成したちょい見せ動画となります。
▼プレビュー動画制作サービス
https://b2b-marketing.co.jp/product/video-marketing/
② プレスリリース配信サービスを利用する
プレスリリースを作成したら、各メディアに直接送付することもできますが、工数対効果/費用対効果を考えますと、プレスリリース配信サービスの利用をオススメします。もちろん実費は掛かるものの、多数のWebメディア・新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどへ様々な方法で配信することができるため、多くの場合、コスト以上の成果を得られます(感じられます)。
プレスリリース配信サービスは幾つかありますが、「PR TIMES」や「ValuePress」など代表的なサービスを紹介しておきます。基本的には、リリース原稿作成などのサポート体制や配信の頻度など、利用サイドの状況や要件によって選択することになるかと思います。
| プレスリリース配信サービス | 特長(各社の紹介文から抜粋) |
|---|---|
| PR TIMES | ◇サイトPV 約9,000万PV、国内シェアNo.1 ◇10,848媒体のメディア、27,000名超の記者・編集者へ、厳選して配信 ◇月間PV数1億超のサイトを含むメディアへ転載 ◇X、FacebookなどSNSで広まりやすい |
| valuepress | ◇プロによる原稿作成・添削 ◇1万件を超すメディアリスト ◇マッチングによる配信で記者の注目度アップ ◇専任スタッフによる記者への個別コンタクト |
| @Press | ◇専任スタッフがつく!業界トップクラスのサポート体制 ◇国内No.1の圧倒的な記事掲載数(国内No.1) |
| 共同通信PRワイヤー | ◇国内の地方から海外まで広い配信メディア ◇記事化率は業界No.1の70%*超え ◇高い信頼性を得られる共同通信のグループ企業 |
※各Webサイト(プレスリリース配信サービス)へのリンクが切れている際はご容赦ください。
③ 一次情報の二次利用を推進する
調査や分析などで得られた一次情報は、調査結果をレポートにまとめて公開・リリースすることだけにとどめておくのは非常に勿体ないことです。特定の商品/サービスのニーズや必要性を示唆する参考情報として、営業段階の提案書やセミナーなどでの講演資料に二次利用することをオススメします。例えば、調査データを引用したコラムは、読者に示唆を与える価値のあるコンテンツでありながら、調査レポートのCTAに誘導することで、CVRにも寄与するコンテンツとなり得ます。
具体的な事例を紹介しますと、支援先のサイオステクノロジー社が公開しているレポート『ITシステム障害と事業リスクに関する実態調査2025』に掲載された調査データを引用したコラム『システム障害により約1/4が“1,000万円超”の損失?システム停止による経営リスク低減と安定稼働への一手とは』を制作・公開することで、潜在・見込客とのタッチポイントを増やしつつ、調査レポートのダウンロード(リード獲得)につなげています。
また、LLMO対策(AIO/GEO※)としても効果に現れており、現時点(2026年1月現在)で「システム障害により発生する損失は?」とGoogle検索を行いますと、AI概要(AI Overview)にはサイオステクノロジー社のニュースリリースページと先述したコラムの参照リンクが表示されています。こうした効果はやはり、一次情報が評価されていることを裏付けていると言えます。
※AIO(AI Optimization)/GEO(Generative Engine Optimization)

AI概要(AI Overview)の表示画面
④ 定点調査により継続的な取り組みに昇華させる
定期的に同じ設問で調査を行うことで、時系列の変化も示すことができるため、定点調査による調査リリースも非常に有効です。「前回(前年)と比べてどう変わったか」という視点は、新たな示唆を得られるとともに、メディアにとってもニュース性が高く、継続的に取り上げられる可能性も高まります。そうなれば、AIにも“より価値のある一次情報”として認識されやすくなると考えています。
弊社においても、ITコミュニケーションズ社と共同で実施している調査を定期的に公開しておりますが、ユーザーの反響は次第に高まりつつあると捉えています。Webトラッキングツールによるモニタリングも行っておりますが、こうした一次情報への流入源として各種生成AIが大きく関わっていることが判明しています。
▼共同調査「BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2023」
https://b2b-marketing.co.jp/ebook-buying-behavior2023/
▼共同調査「BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2025」
https://b2b-marketing.co.jp/ebook-buying-behavior2025/
先述したようなポイントを押さえて調査PR/調査リリースを実施できれば、単発的なPR施策にとどまらず、「継続的に顧客接点を拡大し、案件を創出できる仕組み」となります。
さいごに
ゼロクリック検索が一般化しつつある今、企業に求められるのは、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の要素を満たす一次情報を有した上で、ターゲットとのタッチポイントを拡げつつ、コミュニケーションを最適化していくことです。そのプロセスの中で有効な手法として、一次情報を軸にした調査リリースだと考えています。生成AIやメディアが引用する“元データ”として機能すれば、アクセスや露出の減少を補い、むしろ新しい流入経路を確保できる可能性を秘めています。
まずは小規模のパイロット調査でもよいと思います。今期中に1本の調査を実施し、得られた情報を先述した方法でフル活用してみてください。そして、来期は同じ設問をベースに定点調査へ発展させる。こうした一歩が、AI時代に対応した情報資産を創出する第一歩になります。もし社内に十分な知見やリソースがない場合は、外部パートナーとの連携も視野に入れて検討ください。
弊社では、こうした調査PR/調査リリースによるリード創出を支援しています。目的に応じた調査企画の検討から、設問設計、ネットリサーチの代行、結果分析、レポート作成までをワンストップで支援しています。今後のマーケティング施策の選択肢として、調査リリースを検討いただき、取り組む際には気軽にご相談ください。
この記事を書いた人






















