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SEO対策やCVアップに大きく貢献する事例紹介コンテンツの活用

B2B(法人間ビジネス)において、何らかの購買に関わる企業担当者が、Webを中心に情報収集を行う際に重視するコンテンツとして「事例紹介」や「ユーザーの声」があります。

特にB2B(BtoB)企業においては、個人の趣味趣向で評価・判断されるものではなく、会社の予算を投下する責任が伴うため、より合理的な決断を行える情報を望んでいるからです。

例えば、

「自社の課題に近い解決事例があることを関係者に周知させたい」
「過去の実績を参考に、出来る限り導入リスクを排除したい」
「実際のユーザーの声だから、きっと信憑性がある情報だろう」

といった、購買者側の心理が強く働いているといえます。

 

高いSEO効果が見込める事例コンテンツ

2012年以降、検索エンジン(Google)におけるスパム対策が本格化し、小手先のSEO対策(例えば、短絡的な外部リンク対策等)が通用しないどころか、逆にペナルティの対象になることも少なくありませんでした。

ちなみに、検索エンジンからのペナルティを受けてしまうと、検索順位を大きく下げる、あるいは検索結果に全く表示されなくなり、その解除には多くの手間と時間が掛かります。

その結果、多くのSEO業者が淘汰され、現在では優良な(集客できる)コンテンツを企画・制作できる企業が「コンテンツSEO」サービスとして事業を展開しています。
検索エンジンを提供するGoogleが、ユーザーとコンテンツのマッチングが常に最適化されるよう、断続的に検索エンジンのルールを変更するため、ターゲットが期待する有益なコンテンツ創りを念頭にWebマーケティングを実践し続ける必要性があります。

そういう状況の中で、企業の課題解決を果たした事例コンテンツは、ユーザー目線のキーワードが多く盛り込まれやすく、「ロングテールSEO」の実現に大きく貢献します。

 

コンバージョン(CV)アップに貢献する事例コンテンツ

前述の話題も含め、事例コンテンツを活用するメリットとして、以下の5つがあげられます。

1.実際に導入したお客様が語るので、情報の信頼性が高い
2.商品やサービスの付加価値を顧客視点で伝えられる
3.より具体的な課題解決の方法や取り組みを伝えられる
4.集客キーワードを盛り込みやすく、SEOに大きく貢献する
5.導入企業へのインタビューは、関係強化やサービス改善機会につながる

 

コンバージョンと閲覧されたページの関係性
(※リスティング広告からの流入は除外)

事実、業務システム販売を主事業にしている企業に協力いただき、資料請求や問い合わせなどのコンバージョンに至ったセッション内で閲覧されたページを集計・分析したところ、興味深い結果が得られています。

こちらの円グラフでは、比較しやすいよう「料金表」と「事例紹介」のページ以外は全て「その他」でまとめて表示していますが、事例に関するコンテンツがアクションの動機付けに大きく貢献していることが理解できます。

もちろん、商材の特性やWebサイトの構成等により、これらの結果・傾向は変化しますので、あくまで一例として捉えていただければと思います。

 

事例情報の整理と取材先の選定

事例コンテンツの掲載方法は幾つかありますが、前述の通り、顧客の声だからこその信憑性とユーザー目線の情報がポイントになりますので、コンテンツの情報源は営業担当者だけではなく、導入企業への取材(インタビュー)が必須だと考えています。導入ユーザーの声を通して、それを読んだ方が自分事化して当事者意識をもって購買プロセスを進展させることを狙います。

では、事例コンテンツを開発するにあたり、どんなことから始める必要があるのでしょうか。

まずは、自社が事例コンテンツを通してターゲットに対してどんな訴求をしたいのか、当たり前のことではありますが、そういった観点で事例情報を整理することを推奨します。

といいますのも、事例コンテンツを開発するにあたり、「ここは有名な会社だから」あるいは「販売額の大きな案件だから」といった安易な理由で、事例の対象を決めてしまう企業が往々にして存在するからです。

例えば、販売額の大きな理由がレアケースのカスタマイズ案件だった場合、契約数の拡大を狙う営業戦略と合致しない訴求になることさえ考えられます。

確かに、事例選定にあたっては、ユーザー企業の取材許可を得る必要はありますが、継続的に事例コンテンツを発信していくのであれば、効果的なコンテンツになるよう事例選定は軽んじるべきではありません。

参考までに、こちらの表は課題/訴求軸で事例を整理・マッピングしたイメージ図です。
対象とする課題解決を実現する手段としてそれぞれの製品/サービスが訴求されるよう、取材先の選定とシナリオの検討に利用します。

ちなみに、こういった事例情報の整理を行うべきもう一つの理由として、インタビュー精度の向上があげられます。
といいますのも、許可いただいた大事なユーザー企業に対して、インタビューの時間は有限ですので、限られた時間で必要な話題を話していただく必要があるからです。

インタビューの流れの中で聞き出せることも少なくありませんが、必ずしも取材を受ける担当者が話し上手というわけではありませんので、要点に絞って話を投げかける必要があります。インタビュワーのスキルも大事ですが、事前準備が非常に重要だと考えています。

 

さいごに

本コラムでは、SEO対策やCVアップに大きく貢献する事例コンテンツの必要性について、その根拠やコンテンツの開発方法に触れました。

B2B(法人間ビジネス)の購買プロセスにおいて、特に比較・検討段階の見込客に対するコンテンツとしては、事例やケーススタディが「キラーコンテンツ」になり得ますので、率先して「顧客の声」に耳を傾けることからはじめていただければ、各社のコンテンツ・マーケティングを後押ししてくれるのではないでしょうか。

 

この記事を書いた人

堀首 裕芳
堀首 裕芳代表取締役/CRMシニアコンサルタント
FA機器を製造・販売する株式会社キーエンスにて、営業の面白さや難しさ、奥深さを知る。
その後、複数のベンダーでSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係強化)領域のコンサルティングや営業管理職を務め、2011年にB2Bマーケティング株式会社を設立。
BtoB企業の顧客獲得や売上アップに貢献すべく、日々奔走中。

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