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9.152017
MA(Marketing Automation)に最も期待されているのは「マーケティング活動の効率化」
タイトルにあげたMA(Marketing Automation)に最も期待されているのは「マーケティング活動の効率化」、これはATOK(日本語入力システム)などのソフトウェア開発やネットリサーチ・サービス等を主事業としている株式会社ジャストシステム(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:関灘 恭太郎)が、企業の広報・販促、マーケティング担当者を対象にインターネット調査を行い、2017年3月に公開された調査結果の一つです。
本調査は、BtoB企業での利用機会も増えつつあるマーケティング・オートメーション(以下、MA)の利用実態を明らかにするもので、ここではその調査結果から参考になりそうなポイントを幾つかあげて、私見を述べたいと思います。
参考元:株式会社ジャストシステムが運営する『Marketing Research Camp』内の調査レポート
あらためて調査対象をお伝えしておきますと、事前のスクリーニングで「企画、マーケティング、広報、販売促進、市場調査・分析(リサーチ)の職種に従事している」と回答した全国の20代~50代の男女541名で、調査期間は2017年2月3日~2月6日となってます。
回答者の属性情報については参考元のレポートに譲りますが、回答者の 42.9%が「会社員(事務系)」で、続いて 20.9%が「会社員(その他)」、20.5%が「会社員(事務系)」となってます。
従いまして、回答者の 84.3%が会社員ということですので、ビジネス上におけるMAの認知あるいは活用状況の実態を示唆していると考えてよさそうです。
ポイント1> 今後導入予定も含めると6割弱がMAツールの活用を推進
[設問] あなたの部署・部門ではMAツールを導入していますか?
1:導入している [28.3%]
2:導入していないが今後導入予定 [28.0%]
3:導入しておらず今後も導入予定無し [22.9%]
4:わからない [18.2%]
5:答えられない [2.5%]
すでにMAを導入しているのが 28.3%で、導入予定が 28.0%となっており、2社に1社以上がMAを導入済みか活用を検討しているということですから、MAのニーズは非常に高まっているといえそうです。
ただ、企業規模別あるいは業態別(BtoCやBtoBなど)で調査すると、そのパーセンテージは大きく変わってくるのではないでしょうか。例えば、従業員数100名以下の中小企業の回答率が大きい場合は、それぞれの比率は減少傾向を示すと思われます。
(肌感覚ではありますが、間違いないでしょう)
ちなみに、
「あなたはマーケティングオートメーションという言葉を知っていますか」
という他の設問では、
1:内容まで詳しく知っている [26.4%]
2:聞いた事があるが詳しく知らない [31.6%]
3:知らない [42.0%]
といった結果でしたので、マーケティングや販促業務に従事していても半数近くがMAを知らず、詳しく知っているのは4人に1人程度というのが実態のようです。
(MA導入についての設問は、上記の「MAを知らない」と答えた人を除いたもの)
ですので、MAを知らない方のために、以下の代表的な機能を簡単に紹介しておきたいと思います。
1.リード情報管理機能
⇒リード(見込客)の個人情報や行動履歴など、マーケティングに関連する情報を一元管理する基本的な機能。
2.Webフォーム/ランディングページ作成・管理機能
⇒セミナーや資料請求の申込みフォーム、あるいはキャンペーンで利用するランディングページなど、htmlやcssの知識がなくても簡単に作成できる機能。
3.メール配信・管理機能
⇒MA内のリード情報に対して、メール配信を行う機能。配信したメールの開封率やクリック率などのレポート機能も搭載。
4.Webトラッキング/解析機能
⇒MAにおいて象徴的な機能であり、それぞれのリード(見込客)がWeb上のどのページをいつ閲覧したか?といった「個人情報とアクセスログの紐付け」が行える機能。
5.スコアリング機能
⇒リード(見込客)の属性情報(企業規模や役職など)をはじめ、あらゆる行動履歴にスコア(得点)をつけて定量的な評価や優先順位づけを行える機能。
6.キャンペーン/シナリオ設定機能
⇒上記のWebトラッキングやスコアリングなどのデータと連動して、予め設定した条件に応じたOne to Oneマーケティングを自動化できる機能。
読者の皆さんは、どんな期待感をもってMAを活用したいと考えるのでしょうか。
ポイント2> MAに最も期待されているのは「マーケティング活動の効率化」
[設問] MAツールに最も期待している点をひとつだけお選びください
1:マーケティング活動の効率化 [26.9%]
2:顧客アプローチの自動化 [18.3%]
3:見込客アプローチの多様化 [17.7%]
4:営業活動の効率化 [17.1%]
5:マーケティング担当者の業務効率化 [11.4%]
※上位5つ
冒頭でもお伝えしました通り、MAに最も期待しているのは「マーケティング活動の効率化」ということでした。
マーケティング活動の定義や範囲は、各社あるいは各担当者で多少なりとも変わってきそうですが、BtoBであれば営業に送客するリード(見込客)を増やすために投じる工数や予算などのインプットに対するアウトプットの最大化に期待している、といってよいでしょう。
個人的には、本設問における選択肢の粒度が不揃いで、意味合いが重複してしまいがちな印象を受けましたが、傾向を一言でまとめるなら、見込客に対して労力をかけずに様々な手段で(効率的に)アプローチすることで、より多くの有望な見込客への営業活動を成果(売上)につなげること、が求められているといえそうです。
いずれにしましても、オートメーションというぐらいですから、マーケティング関連業務の自動化あるいは効率化を目的とした取り組みの一環が、MAの認知・導入が加速度的に進んでいる理由なんではないかと思います。
ポイント3> MAで活用する機能は「マーケティング分析」と「キャンペーン管理」
[設問] MAツールで、よく利用する機能を3つお選びください
1:マーケティング分析 [44.9%]
2:キャンペーン管理 [31.5%]
3:Web解析 [25.8%]
4:メール配信 [23.6%]
4:レポーティング [23.6%]
※上位5つ
前述の設問(MAを導入しているか)で「導入している」と回答した対象に、MAでよく利用する機能を伺った結果は上記の通りでした。
回答者が「マーケティング分析」の範疇をどう捉えたかにも依りますが、「レポーティング」とあわせて、取り組んだ施策の結果、例えばWebへの流入やコンバージョンにどんな変化(効果)があったか、獲得したリード(見込客)との関係強化や態度変容にどんな変化(効果)をもたらせたか等を把握・分析することで、今後の取り組み・計画に活かそうとするニーズが垣間見られます。
「Web解析」については、もちろん『Google Analytics』などのサイト全体のパフォーマンスを評価・分析することもそうですが、他の選択肢にある「リード行動分析」が示唆するところと同様に、Web訪問者それぞれのアクション・動線をモニタリングすることで、その訪問者がどんなコンテンツに興味を(問題意識を)持っているか、いずれの検討ステージにありそうか、その企業全体で情報収集(検討)しているのか?などの気づきを得られることに価値を感じている利用者は少なくないだろうと推測しています。
ちなみに、参考までにMAほどの機能は有していないものの、マーケティング活動における見込客を「Web解析」により可視化し、セールス活動の効率化に貢献できる安価なITツールをご紹介しておきたいと思います。
弊社で導入・活用支援も行ってますので、興味を持たれた方は気軽にご相談ください。
> IT活用支援 > リードファインディングツール『シナプス』
さいごに
ご紹介したレポートでは、代表的なMAツールの認知度も調査しており、MAについて詳しく知っていると答えた回答者の中で認知度が最も高かったツールは、セールスフォース・ドットコム社が提供する「Patdot(59.4%)」でした。
Patdot(パードット)とよばれますが、おそらくマーケティング関係者の中では「あ、やっぱりそうなんだね」という反応が殆どではないでしょうか。やはり、国内外でクラウド・ソリューションを牽引するセールスフォース社が取り扱うサービスとして、認知・導入社数ともに先行している印象があります。
そして、意外性があって(怒られそうですが・・)驚いたのが、2位の「SATORI(54.5%)」です。
しかしながら、よくよく考えると納得したのですが、『SATORI』が他社ツールとの差別化ポイントとして掲げる、リード獲得前の匿名客へのアプローチ「アンノウン・マーケティング」を実践した結果なのだと。
私の知るところでも、SATORI社がコンテンツ・マーケティングは勿論のこと、GDNやYDN、Facebookや各種DSPへのターゲティング広告なども組み合わせて、潜在層へのアプローチから、リード獲得~案件創出までを一環して取り組まれた成果が調査結果に表れているのだろうと捉えています。
「人生もいろいろ、MAもいろいろ」(ん!?どっかで聞いたようなセリフ・・)です。
正直言いまして、どれがベストのツールか、利用料が高いものが使えるツールなのか、一概にはいえません。
当たり前のことではありますが、自社の課題や目標は何なのか? どんなマーケティング施策あるいは業務が存在していて、ITツールをどう活用すべきなのか? しっかりと見定めた上で便利で有意義なMAツールを活用して目的達成につなげたいものです。