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11.92015
今一度、目標実現に向けた達成・評価指標(KGI/KPI)を考えよう!
唐突ですが、15世紀半ば~17世紀半ばまで続いた大航海時代では、多くの国家・民族が未知の新大陸発見を目的に、競うように大海原へと挑戦したといいます。
コロンブスのアメリカ大陸到達、さらにはマゼランの世界一周などで地球が球体であるということがようやく事実として認められるまでは、円盤状の大地と海をドーム状の天空がおおっていると考えられていたといいますから、「当時の海図と航海術でよく挑戦したなぁ」とあらためて思います。
仮に精度の高い海図があったとしても、経度や緯度など現在地を正確に認識することができなければ、当然目的地に到達することは容易ではなかったと思います。
これは企業経営でも同じことではないでしょうか?
企業のビジョンに沿った高い目標設定とあわせ、それを達成するための戦略・計画・プロセスなどを明確にして経営していくものの、必ずしもシナリオ通りには進展しなかったり、航海上の天候と同じように環境や条件の変化により、戦略や計画の見直しも迫られることになります。
従いまして、先ほどの航路と同じように、現在地を正しく把握できないようでは、どう計画を見直してよいのか、どこに向かえばよいのか、手立てを失ってしまうのです。
達成・評価指標(KGI/KPI)とは?
さて、話が少し壮大になってしまいましたが、、
マーケティングやセールス活動におきましても、目標達成や課題解決を実現するための戦略や計画を策定し、現状を定量的に示す指標を設定して継続的にモニタリングと改善のサイクルを回していくことで、目標達成に近づけると考えてます。
ちなみに、KPI(ケーピーアイ)と呼ばれるキーワードは一般的になりつつありますが、KGI(ケージーアイ)は初めて聞く、という方もいらっしゃるかもしれません。
これらは通常以下のように訳されます。
KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標
KPI(Key Perfomance Indicator):重要業績評価指標
そもそもはBSC(バランスト・スコアカード)と呼ばれる戦略策定フレームワークの中で用いられる指標が一般化したものですが、現在ではその方法論とは関係なくビジネスシーンでよく使われるようになりました。
それでは、あまり馴染みのない方々の理解を助けるため、サッカーチームの経営・運営に当てはめて説明したいと思います。
勿論、どのチームもそうだと思いますが!? 最終目標をリーグ優勝としましょう。
その最終目標を達成すべく、重要成功要因(Critical Success Factor)を必要な要素だけ定めます。
ちなみに、重要成功要因とは目標と戦略の実現のために何が重要な成功要因かを明確にすることです。
ここでは詳細に説明しませんが、当然ながらこの重要成功要因の設定は重要で、様々な仮説や調査・分析から落とし込む必要があります。
ここで、重要成功要因の一つとして「攻撃的なサッカー」の実現を掲げたとして、そのKGIを年間総得点60ゴールと設定しています。そして、この60ゴールを達成するために日々実行、モニタリング、改善していくべき対象のKPIを設定するという手順です。
例えば、「ゴールはシュートを放たなければ入らない」という基本原則から全試合の合計で300本以上のシュートを目指す、あるいはパスの平均成功率を80%以上に上げる、などの評価指標が考えられます。
また、そのために個々人のフィジカル強化が重要だと考えれば、1日あたりにシュート練習100本やスクワット200回の実行など、成果が見込める評価指標を設定し、実施状況をモニタリングしていくことになります。
このKPIを考える際には、KGIの達成と強い関係性がありコントロール可能な指標であることを重視して設定することが重要です。
といいますのも、KGIの達成に貢献せず、マネジメント出来ないような指標であれば不適切だからです。
勿論、最初から最適な指標を設定できるとは限りませんので、これらの指標を継続的にモニタリングしていきながら、適時見直していくことが求められます。
目標からの逆算アプローチで、案件創出・獲得シナリオを検討すべし
マーケティングやセールスに関連する施策を実行する以前に、目標達成のシナリオを想定・設計しておくことは当然重要なことです。また、そのシナリオ通りに進捗しているかを把握しつつ改善していくためには、プロセス・マネジメントの導入と仕組み作りが必要です。
例えば、Web問い合わせに対する営業プロセスを想定した際、12件の受注獲得を目標にすると、各プロセスの遷移率からWeb経由の問い合わせが100件必要だと分かります。
それでは、同様に目標からの逆算アプローチで、商談経路ごとの案件創出・獲得シナリオを検討してみましょう。
ここでは説明のためシンプルに記載していますが、それぞれの経路から案件を創出するには幾つかの指標(アクション)がKPIとして設定できるため、目標達成を実現するための貢献活動を把握・調整しながら、日々のマネジメントに活かしていくことができます。
従いまして、早い段階でシナリオとのギャップを掴めれば、
- どのプロセス(活動)に問題があるのか?
- 把握した課題を改善するための対策は?
- 当初の目標設定に問題が考えられる場合はシナリオを再考する
などの打ち手(改善策)を先行的に講じることが可能です。
参考までに、以下にはB2Bのマーケティング、あるいはセールスにおける達成・評価指標の候補を幾つか挙げておきました。意味が分からないワードがあれば、一般的な用語なのでGoogle検索で確認してみてください。
【マーケティングにおける達成・評価指標の候補】
- [Webサイト上の]PV
- [Webサイト上の]UU
- [Webサイト上の]直帰率
- [Webサイト上の]平均滞在時間
- [Webサイト上の]CV数(資料請求や問い合わせ等)
- [Webサイト上の]CV率(資料請求や問い合わせ等)
- [Webサイト上の]CPA(1CVあたりの獲得コスト)
- メルマガ登録数、配信数、開封率、クリック率
- Facebookの投稿数、ファン数、「いいね」数、シェア数
- Twitterのツイート数、フォロワー数
- 展示会の出展回数、来場者数(名刺獲得数)
- セミナー開催数、参加者数(新規or既存)
【セールスにおける達成・評価指標の候補】
- コール数
- テレアポ獲得率(ターゲット別、新規or既存)
- 訪問数(ターゲット別、新規or既存)
- 面談人数
- 活動件数(ヒアリング、プレゼン、勉強会など)
- 提案書提出数
- 見積件数、見積受注率
- 案件数(ルート、チャネル別)
- 平均受注単価
- 平均商談期間
- 案件受注率
プロセス・マネジメントの実践で、課題解決につなげるべし
マーケティングやセールス活動における一連のプロセスを定量的に把握・分析することで、肌感覚で掴んでいた問題や課題を明確にすることができます。
例えば、上図の通り、インサイドセールスによるフォローコールが実施され、お客様のニーズや課題を把握できた割合に満足がいかない場合は、
コールリストの精度を改善できないか?
と考えられるでしょうし、アポ獲得あるいは訪問に至る割合が低い場合は、
アポ獲得率を改善できないか?
と考えるものです。
コールリストの精度、つまり見込度を測るためには、リードの属性や最近注目を集めているMA(マーケティング・オートメーション)導入によるスコアリング機能の活用など、幾つかのアプローチが考えられます。
また、アポ獲得率をアップさせるには、先ほどの見込精度の問題も関わりますが、トークスクリプトの改善や案内する事例情報の精査、あるいはコール後に送付するフォローメールの標準化や添付資料の改善など、こちらも様々な観点で改善策を講じることができます。
なお、これらKGI/KPIを正しく、かつ容易にモニタリングしていくために、ITツールの活用は欠かせません。
冒頭でお伝えしたように、たとえ目標が明確になっていても、それを実現するシナリオや目標とのギャップを指し示す現在地がはっきりしないままでは、効果的な改善には至りません。
マーケティング上の指標は一般的なCRM(顧客管理システム)やMA(マーケティング・オートメーション)の活用で、セールス上の指標はSFA(営業支援システム)の活用でモニタリング可能ですので、あくまでも成果獲得・課題解決のためのITツール導入を取り組みの一つとして検討頂きたいと考えています。